妊娠・出産・産後に関するお役立ち情報は、特に2012年に書いたものが多いため、古くなってくるものもあります。
あくまでご自身のリサーチの出発点として受け取って頂けると幸いです。

2012年2月19日日曜日

産後の食事をどうするのか(パート2: 母乳にやさしい食事とは?)

母乳と産後の身体の回復にやさしい食事、とはどういうものなのか、考えてみようと思います。

([追記] 「産後の食事をどうするのか(パート1: 誰が食事を作る?)」はこちらのリンク先をご覧下さい。ベイエリアで家族が近くにいないお母さん・お父さんは、どうやって対応しているのか、書いています。)

まず、どれくらい食べ、飲まなければならないのか?

通常の推定エネルギー必要量は、年齢や身体活動レベルによって変わりますが、授乳婦は、1日約700〜1000グラムの母乳を作るため、約450〜500kcal/日を付加する必要があると言われています[1, 2]。(注:日本では450kcal、アメリカでは500kcalというのが基本のようですよく言われています。)([追記]ただし、当然個人差があるため、基本的には自分のお腹の空き具合に従うということでよいと思います。)

では、この約450〜500kcal/日をどう増やすか? 

目安としては、
魚介・肉で80kcal
豆・豆製品などで80kcal
穀類で320kcal(50〜60歳)/360kcal(30〜49歳)/400kcal(18〜29歳)
油脂で80kcal(30〜69歳)です。[2]

例えば、授乳婦の1日の推定エネルギー摂取量を2400kcalとすると、食品群別の摂取量の目安は、次の通りです[2]。

乳・乳製品 160kcal
卵 80kcal
魚介・肉 240kcal
豆・豆製品 160kcal
野菜 80kcal
芋類 80kcal
果物 80kcal
穀類 1280kcal
砂糖 40kcal
油脂 200kcal
(食品の1点重量表は、こちらを参考にされてください。1点=80kcalです。)

油脂は、摂りすぎると母乳が詰まりやすくなるとも言われているため注意が必要ですが、赤ちゃんの脳の発達のために大事なものでもあります。アボカドやナッツ類、オリーブ油、魚などから摂取すると良いようですが、アレルギー体質の人が家族にいる場合、ナッツ類は避けた方が良いようです[1]。

また、十分な水分補給は、母乳の生産量にも、詰まり防止にも大事と言われています。母乳の90%が水分であるため、1日約3リットルの水分摂取が必要だそうです[1]。

でも、え、そんなに?!...という感じですよね。

もちろん、食事の時のスープやお茶なども含めてですし、授乳していると非常に喉が渇くので、これくらいすぐ飲めてしまうはずです。授乳する時は、手の届く所にコップ一杯の水を置いておくとといいと思います。([追記] こちらも喉の乾きに合わせて、というのが一番の基本だと思います。)

充分に水分が摂れているかどうかは、尿の色でも確認できます。薄い黄色が目安です。([追記] また、唇がカサカサしていたら、水分が足りていないということですよね。)

また、水分補給の際は、カフェインの摂りすぎには注意された方が良いようです。

母乳に移行するのは、摂取したカフェインの1%未満だそうですが、特に、生後数ヶ月の赤ちゃんの体は、なかなかカフェインを排出できないようです。カフェインによって、赤ちゃんは、ぐずりやすくなったり、眠れなくなったりするため、目安としては、1日300mgまでに抑えるのが良いようです。また、赤ちゃんの様子によっては、さらに量を減らす必要が出てくるかもしれません。[3]

コーヒーだけであれば、1日2杯くらいまで、ということになりますが、お茶やコーラ、チョコレート、ココア、フローズン・ヨーグルトなどにもカフェインは入っています。何にどれくらいカフェインが入っているか、詳しく知りたい方は、こちらのサイト(日本語)、または、こちらのサイト(英語)をご参考にされてください。

よく、母乳の量を増やすのにこの食品が良い、というような議論も聞きますが、はっきりとした科学的根拠はなさそうです[4](ご存知でしたら、ぜひ教えてください!)。結局のところ、母乳の量を増やすには、赤ちゃんによく[頻回に]飲んでもらって刺激を与えることです。

牛乳をいっぱい飲みなさい! ともよく聞きますが、がぶ飲みする必要はなく、通常通りで大丈夫のようです。家族にアレルギー体質の人がいる場合は、妊娠中に牛乳を飲み過ぎると赤ちゃんに影響が出ることもあるようです。カルシウムは、ヨーグルトやチーズ、豆腐などの大豆製品、ホウレン草、小松菜、チンゲンサイ、ひじき、ごま、レバー、アーモンド、小魚などにも豊富に含まれています。[5]

避けた方が良い食品については、授乳後の赤ちゃんの様子を見る、ということが基本です。

もし、授乳後に赤ちゃんがぐずぐずしていたら、4〜6時間前に何を食べたか考えてみると良いようです。豆類やキャベツなどはガスが出やすくなる食品だそうです。これが怪しいかも、という食品があれば、2〜3週間やめてみて、またダメであれば、2〜3ヶ月やめてみると良いようです。家族に特定の食品に対するアレルギー体質の人がいれば、妊娠中、授乳中は避けた方が良いようです。[1]

アルコールは、代謝されるまでに約3時間かかる[1]と言われていますので、飲むのであれば、授乳直後に適量ということになります。[追記] 過度のアルコールの摂取は母乳の量に影響するかもしれません。また、アルコールを摂取した後の添い寝は危険です。[6]

では、結局のところ、何を食べれば良いのか? に対する結論は......

当たり前すぎて、恐縮ですが......


バランスよく、いろいろな食品を摂り、十分な水分補給を忘れずに! ということです。

でも、逆に、この「当たり前」ができれば、あまり気にしすぎることはないということですね。



[追記] アメリカで、最も残留農薬が高い野菜と果物は、モモ、リンゴ、パプリカ、セロリ、ネクタリン、イチゴ、サクランボ、ナシ、輸入ブドウ、ホウレン草、レタス、イモだそうです[7]。オーガニック(有機栽培)のものを選ぶ、もしくは、よく洗って皮を深めにむく、などされると良いと思います。

逆に、アメリカで最も残留農薬が低い野菜と果物は、タマネギ、アボカド、冷凍コーン、パイナップル、マンゴー、アスパラガス、冷凍マメ、キウイ、バナナ、キャベツ、ブロッコリー、パパイヤだそうです[7]。

EPAとUSDAは、サメ、メカジキ(swordfish)、オオサワラ(king mackerel)、アマダイ(tilefish)は、水銀量が高いため食べない方が良いとしています。逆に、水銀量が少ないのは、エビ、カニ、サケ、ナマズ(catfish)、イズミダイ(tilapia)などです[8]。

基本的に、食物連鎖の下の方の魚介類が安全で、しかも環境への負荷も低いということです。こちらのMonterey Bay Aquariumのページには、アメリカの地域ごとに、どの魚を食べたら良いのか、というポケット・ガイドが載っています。


[追記 2/24] アメリカ西海岸のポケット・ガイドはこちらです。


さらに詳しく、どの魚が汚染されているか(どれくらい食べても大丈夫か)(表)、どの魚が安全か(表の下)、というリストは、こちらのサイトをご覧下さい。



参考サイト、文献:
[1] Breastfeeding Diet, Developing the best breastfeeding diet
[2] 「よい食事の計画」、女子栄養大学社会通信教育部、p133、第19表、4つの食品群の年齢別・性別・身体活動レベル別点数構成
[3] babycenter, Caffeine and the nursing mom
[4] iVillage, Breast milk: Increasing supply
[5] 「だれでもできる母乳育児」(改訂版)、ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル、p231
[6] Breastfeeding Diet, Breastfeeding and Alcohol
[7] Environmental Working Group, US: high pesticide level marks 'Dirty Dozen' fruits, vegetables
[8] Mayo Clinic, Pregnancy and fish: What's safe to eat?


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