妊娠・出産・産後に関するお役立ち情報は、特に2012年に書いたものが多いため、古くなってくるものもあります。
あくまでご自身のリサーチの出発点として受け取って頂けると幸いです。

2012年2月28日火曜日

薬を使うか否か〜人の心に響くのは数字よりもストーリー〜

現在、読み進めている「Your Medical Mind」(Jerome Groopman, Pamela Hartzband)という本に、以下のような文章があります。

(医者から勧められた薬を、服用するかどうか、を決める時に、人は何に影響されるか、というような内容のところで出ていた文章です。)

"...research...shows that all of us respond most profoundly to stories; they echo in our minds and become imprinted in our memories" (p20)

和訳すると...
「研究によれば、人は、ストーリー(経験談)に最も大きく影響される、なぜなら、ストーリーは人の心に共鳴し、記憶に留まるからだ

例えば、ある薬によって副作用が起こる可能性が、例え、統計的には低いと分かっていても、もし、ひどい副作用に苦しんでいる知人を目の当たりにしていたら、その経験は、自分が薬を服用するかどうか、という決断に大きく影響します。

また、薬のテレビ・コマーシャルでは、薬の効用・リスクというデータよりも、ストーリー性が全面に出てきます。

そういえば、同様のことが、以前ご紹介した「Trick or Treatment」にも書かれていたように思います。

(かなり、うろ覚えで恐縮ですが...)なぜ、エビデンス(科学的根拠)として効果がないとされる代替医療でも人は惹かれるのか、それは、研究データ(数字)よりも、「私は〜が効いたよ」という経験談の方が影響力が大きいから、というようなことだったと思います。

自分に当てはめてみても、確かにそうですよね。

ということは...(またドゥーラ的観点からお産と結びつけて考えてみます。)

逆に、病気ではないノーマルなお産に対して、「この薬や医療介入には、こんな副作用がありますよ」と説明しても、統計的には副作用が出ない人も多いわけで、例えば、友達が「硬膜外麻酔をして楽だった! した方がいいよ!」と言えば、当然、心はそちらに動きますよね。

今ではドゥーラをしている私も、一人目の出産の後、実は、そう言っていた一人です。

ただ、いろいろと勉強をしていくうちに、ああしたかったのに出来なかったのは、あの薬のせいだったのだな、とか、あんなひどい症状になったのは、あの医療介入が原因だったかもしれないな、と自分のお産体験を消化し始めました。

しかし、こういうことは、お産現場にいない人にとっては、可能性としてある因果関係が分かりにくいかもしれません。

あるいは、「ドゥーラには、こんな良い効果がありますよ」と、いくら唱えても、「でも、まぁ、費用もかかるし(注)、ドゥーラがいなくても、きっとお産は乗り越えられるよね」と言われれば、まぁ、そうですよね。

(注: 新米ドゥーラはボランティア、あるいは、低コストでしている人もいます。Blossom Birthなどのセンターにお問い合わせください。)

逆に、経験者から「ドゥーラがいてくれて良かった。いた方がいいよ!」と聞いた方が、よっぽどその気になりますよね。

つまり、いくら研究データを持ち出して語っても、あまり、心に響かない、ということなのです。もちろん、人はデータがあれば、最終的にはそれを元に決断するので、それを提示して行くことはとても重要だと思います。でも、人は、まずストーリー(経験談)に心を揺さぶられる! ということは、意識しておいた方がいいと思います

確かに、妊娠サポートグループでも、ファシリテーターが、ちょっと違う立場から言う言葉より、参加者一人一人の経験談の方が、影響力が大きいような気もします。

そういえば、アメリカで自然分娩推進の第1人者であるIna May Gaskin(助産師)の著書(「Ina May's Guide to Childbirth」や「Spritual Midwifery」)は、本のほぼ半分が、Ina Mayの視点からではなく、出産体験者が自ら語るストーリー、なのです。

これは、もしかしたら偶然ではないかもしれませんね。一人一人のストーリーが持つパワーを身をもって感じていらっしゃるのかもしれません。

ということで、もちろん、お産に関する研究のことも書いて行きたいのですが、それと併せて、私もどんどん、ストーリーを出して行こう! と思っています。

私の個人的なドゥーラ・サービス利用者の声に関しては、こちらのリンク先のホームページでもご紹介していますが、そちらのサイトでご紹介しきれないものや、自分の体験談も、このブログに載せて行こうかなぁ、と。また、こちらに体験談を寄稿してくださる方も募集しています。

◆◆◆

今回は......

前回の投稿「誰が日本人ドゥーラ(出産付添人)を雇うのか」を書いている時に、これまでクライアントさんから頂いたお手紙、メッセージなどを読み返したのですが、一つ、短いものを、差し支えのない範囲でご紹介します。

〜クライアントKさん(二人目のお子さんをご出産)から、出産後に届いた手紙より〜

「......出産が短時間で済んだおかげで、私は元気に過ごしています。出産の痛みもすっかり忘れ(笑)、今は、自然分娩で良かったと思っています。娘が産まれてきてくれた感動は、自然分娩ならではのことだと思います。夫も感動したそうです

例え、最初は、できるだけ自然分娩したいと思っていても、簡単に硬膜外麻酔(いわゆる和痛分娩、無痛分娩)をオプションとして選択できるアメリカで、最後まで自然で行くのは至難の業です。Kさんも、実は、途中、心が揺れた、ともおっしゃっていました。

◆◆◆

これまで、会話やアンケート、お手紙という形でしか、クライアントさんのご意見を聞いてきませんでした。でも、今後は、産後訪問の時に、クライアントさんとお産ストーリーを一緒に書き上げる、という作業もできたらしてみたいな、とも感じています。

これは、この辺りのバース・ドゥーラが、わりとよくしていることみたいです(少なくも私のドゥーラの先生はそうです)。

私は、これまで、わりと、エビデンス(科学的根拠)が重要! 産後訪問ではクライアントさんに対する実質的なサポートが重要! という姿勢が強かったので、実は、こういう作業を重要視していなかったのですが、考えを改めるべきだよなぁ、と。

そして、また機会を見て、自分のお産体験談、も振り返って書いてみようかなぁ、と。でも、自分のことって、人に読んでもらいやすいように書くのって、難しそうですね...。センチメンタルになりすぎずに書けたら(自己判断できるかな? 努力しますが...)投稿してみようと思います。


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