膣ケア・陰茎ケアの基本
おりものには膣の湿度を保ち、清浄効果があります。おりものの量や粘度は月経周期や避妊方法によって変わります。正常なおりものは、透明・乳白色・クリーム色で、匂いがなく、かぶれ・炎症を起こしません。
以下のような、おりものの変化は膣内pHバランスが崩れていたり、感染症の可能性がありますので、早めに医療プロバイダーにご相談ください。( デリケートゾーンに新しい「できもの」が出来た場合もすぐに医療プロバイダーにご相談ください。)
- コッテージ・チーズのような白い塊、かゆみ、性交痛など → カンジダ膣炎の可能性(Candidiasis、もしくはYeast Infection)*性感染症ではありません
- 生魚のような匂いなど → 細菌性膣炎の可能性(Bacterial Vaginosis、BVともよばれる)*性感染症ではありません
- 緑・黄色の泡、生魚のような匂い、炎症、排尿痛、性交痛など → トリコモナス感染症の可能性(Trichomoniasis)
- 水っぽいおりもの増加、性交痛など → クラミジア感染症の可能性(Chlamydia)
- クラミジアは無症状の場合が多く、放っておくと不妊症などにつながるため、感染リスクの高い25歳までは毎年、新しいパートナーになった場合などのスクリーニング検査をCDCが推奨しています。
- 陰茎(ペニス)のある人が感染した場合、軽い排尿痛やおりものの症状などが出ます。放っておくと不妊症などにつながります。
- 緑・黄色の濃いおりものが増える、炎症、排尿痛など → 淋菌感染症の可能性(Gonorrhea)
- 陰茎(ペニス)のある人の場合、排尿痛・濃いめで多めのおりものの症状などが出ます。
- おりものの量が増加、悪化すると緑・黄色の濃いおりものなど → 子宮頚管炎の可能性(Cervicitis)
- さまざまな病原菌が原因となり、子宮頚管が炎症を起こします。
以下は、膣内環境を健康に保つために日常できることです。
- 膣を洗わない
- 膣は自己洗浄します。
- 膣を洗うと善玉細菌も失われ病気になりやすくなります。
- 外陰(外側)のケア
- お湯を使って手で優しく洗う(石鹸を使わない、こすらない)
- 入浴剤を避ける
- かゆみや炎症がある場合には、ぬるめのお風呂に大さじ4~5のベーキングソーダで症状が緩和します。
- タオルで軽くポンポンと乾かす(こすらない)
- トイレの後は、前から後ろに拭く
- 皮膚が炎症をおこしていたり、乾燥している場合は、Aquaphorなどをうすく伸ばして塗ると緩和策となります。
- 香料が入っている製品を使わない(おしり拭き、ナプキン、タンポンなど)
- 洗濯洗剤
- 漂白剤・香料の入っていないものを選ぶ
- 下着は柔軟剤を使わない
- 服(空気を通し、湿度が低く保つ)
- 綿100%の下着を使う
- きつめの服やストッキングを着用しない
- 運動後など、濡れた服をすぐに脱ぐ
- 陰毛
- 剃らない、ワックスやレーザー処理しない(ビキニ・ラインはOK)
- どうしても処理をしたい人は、ビキニライン以外はトリミングにとどめておくとよいでしょう。
- 性交
- コンドームを使う
- 膣内は酸性ですが、精液はアルカリ性のためpHバランスと膣内細菌環境が崩れ、細菌性膣炎になりやすくなります。
- 性感染症予防にもなります。
- 水性ジェル(water-based lubricant)を使う
- 性交後にトイレに行く
◆◇◆◇◆
以下は、陰茎(ペニス)のある人、特に割礼(陰茎包皮切除)をしていな人が亀頭炎予防に日常できることです。*亀頭炎はカンジダ菌が原因のことが多いです。空気を通し、湿度を避けましょう。(「おりもの」があったり、新しい「できもの」が出来た場合は、速やかに医療プロバイダーにご相談ください。)
- 包皮をめくってぬるいお湯か水を使って手で優しく洗う(こすらない)
- 朝夕1日2回程度
- 運動後など汗をかいた後も洗う
- タオルで軽くポンポンと優しく乾かす(こすらない)
- 1~2分後、完全に乾燥してから包皮を戻す
- 亀頭炎になりやすい人は、洗ったあと少量のAquaphorなどをうすく塗っておくと水分をはじきやすくなります。
- 綿100%の下着、ゆるめの服を着用
- 陰毛を剃らない
執筆:ウィコラ創設者・代表 小谷祥子
写真クレジット:https://unsplash.com/@kazuend
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